Chaos Smart

「私は、私が無知であることを知っている」 複雑性、物事の根本に関わる深い叡智をえるブログ

コーチングスキルpart3 『未来への夢を抱かせる』

Skill 21 目標についてたくさん話す

今の若者の多くは、「目標を達して、それで?」と思っているため、目標を達成したらそれはどんな「いいこと」を自分にもたらしてくれるのかということを含めて、目標についてあきるくらい誰かと話す必要があります。そうしてはじめてその人は目標というものに意識が集中し「やってみようか」と思うのです。「目標に向かう過程でどんなことをみにつけるんだろう」「目標を達成した瞬間のこと、イメージしてみらたらどうなる?」「その目標を達成したら次はどんな目標をもつことができるかな?」目標達成に向けて、「がんばれ」のかわりに目標に関する質問をたくさんする。これが目標のコミットメントを育みます。

 

Skill 22 夢を見させる

コーチの大前提は「すべての答と能力は、その人の内側にすでにある」です。したがって夢もまた、その人の中にすでに存在していると考えます。
しかし、人はそれをはっきりと鮮明にみることができず、つい自分には夢がないなどと思う。隠れている夢へアクセスするには、視点を移動させる質問をクリエイトすることです。「もしなんの制限もなく、なんでも自由にできるとしたら、どんなことをしてみたい?」「十年後のあなたは、今のあなたにどんな夢を追及してほしいと思っている?」
こんな質問により相手の視点を変え、夢を垣間見せます。その夢の全貌が鮮明に見えるまで、相手にその夢について沢山話してもらうよう手引きするのがコーチです。

 

Skill 23 価値を見つける

人はそれぞれ無意識のうちに「価値」を置いている行動や状態があります。目標達成のための行動はできるだけその人が価値を置いているもの、言い換えれば自然に楽しんでやれるような行動であることが望ましいです。価値の合わないような行動を目標達成の手段として選ぶと、継続が極めて難しくなります。「探究、冒険、優雅、輝く、触れ合う、共にいる、影響する、勇気づける、極める、卓越、サポート、創造、工夫、指導、遊ぶ、説得、勝つ、達成、気づく、洞察、支配、つながり。」このようなリストからあなたが3つ選ぶとしたら何を選びますか? 相手が価値を置いているものを見つけ、そこに向かわせるのがコーチングです。


Skill 24 未来を魅力的にする

人が自発的に行動するときは、頭の中に視覚的なイメージが強烈に描き出されたときです。つまり、強い意思のある行動は、言葉よりも行動の結果が視覚的になったときに起きる。コーチングとは、この自発的な行動を促すために、コーチされる者の頭の中に視覚的なイメージを生み出す技術であると考えてください。未来についてできるだけ鮮烈なイメージが創り上げられるまで、丹念に聞いてみてください。たとえ一時間かかってもいいでしょう。そうすればその後は、あまり尻を叩かずとも部下は動きます。教育のプロですら、多くの場合はイメージを刻むより、現状でなにがうまくいっていないのかを探り指摘することに意識が向きがちが世の実態です。

 

Skill 25 行動は「いい感じ」から

行動を習慣化させるのは、並大抵なことではありません。人間は行動を起こす直前になると「いやな感じ」が内側に湧き上がって行動を先延ばしにする傾向が強くあります。「いやな感じ」の襲撃を避け「いい感じ」に包まれるにはどうしたらいいか。それには、行動の結果を思い浮かべることが得策です。行動のプロセスではなくその行動の先の「いいこと」をイメージする。「いやな感じ」がやってきたと思ったら、その行動によって自分が手に入れるものに「スパーン!」と「絵」を切りかえてみてください。そうすれば、驚くほどすっと行動を起こすことができます。

 

Skill 26 距離を置いて見る

人はついひとつのことに「ぐぅーっ」と入りがちです。誰かと関係がうまくいかないと、その人のことについて「ぐぅーっ」と入りこむ。それも大事なことだとは思いますが、あまり入り込んでいると、対象と密にくっついてしまって対象を横や後ろから見る機会に乏しくなります。すると問題を解決する糸口がみつかりません。そんな人を対象から引きはがす方法のひとつが、対象について延々と話をしてもらうことです。相手がどれだけ話しても「もっと、全部きかせて」と三十分は聞いてあげてください。これだけ話せば、もうぴったり対象がくっついているのは難しい。自然と対象との間に距離ができて、冷静に問題をみることができるようになります。

 

Skill 27 点数化する

理想の状態を十点満点として、今の状態を採点する。ふだん漠然と「やれていない、できていない」と思うことを「点数にしたら何点なんだろう」と問いかけてみると、行動を客観的に振り返ることができ、どこまでできていて、どこまでができていないかはっきりと見えてきます。やれていないことというのは、「なんだかうまくいっていないな」と漠然と思っていることが多く、意識にすら上がっていないことがあります。「今週はどのくらい部下の話をききましたか?点数は何点でしょう?」「部下が楽しんで仕事をしていた度合いは何点ですか?」「夢を実現するためにどれくらいの行動を今起こしているだろう?」いかがですか?点数化の威力は。

 

Skill 28 チェックリストをつくる

「顧客に対してどのような質問をするか、必ず訪問前に考えている」など、セールスパーソンのコンピテンシーは数多くあります。このコンピテンシーなどのチェックリストを持たせること自体はスキル向上への意欲を継続させるために役立つことだと思われます。が、クライアントのやる気をしっかり引き出すのであれば、できればその人独自のチェックリストを一緒につくるところからはじめたい。
自分以外の誰のものでもない、オリジナルなものであると本人が認識しているときのみ、チェックリストは、単に自分に努力を強いる命令ではなく、自分のやる気を引き出してくれるエネルギー源となるのです。

 

つづきは、こちら。 

コーチングスキルpart4 『新しい視点を与える』 - Caos Smart