Chaos Smart

「私は、私が無知であることを知っている」 複雑性、物事の根本に関わる深い叡智をえるブログ

コーチングスキルpart5 『自発的な行動を促す』

Skill 37 フォローする

相手の行動が変わる決意を貰えたら、その与えた影響が永久に続くことを願うものです。しかし、後で確認すると、相手はなにも行動を変えていないことはよくあります。ですから「コーチ」は相手が確実に行動を起こすまでフォローをします。取るべき行動の選択、数日後の進捗状況確認、行動の妨げを取り除く、新たな行動を相手主導で選択し、その行動へ向かわせる。「何かあったらいつでも言ってきてほしい。いつでもサポートするから」そう一言、つけ加えます。簡単なようですが、これを繰り返すことで相手は「コーチ」が大切にしてくれ成長をサポートしてくれていると思います。「コーチ」が単なる起爆剤ではなく、真の伴走者となる瞬間です。

 

Skill 38 失敗する権利を与える

みなさんは、これまでなにか新しいことを学ぼうとしたき、どれくらい失敗しましたか? 失敗を悪として追及せず、成功へのステップとしてとらえ、成功体験が積まれるその瞬間まで、寛容にその間じっと見守り続けてくれた人がいないでしょうか。このときこそ、あなたの「自発性」が生み出されたことを思い出してください。「失敗する権利」がないところでは行動がどうしても「しなければならない」の連続になり、自発性よりも義務感を助長してしまいます。自分はどのくらい部下に「失敗する権利」を与えているのか、一度立ち止まって考える価値はあるでしょう。学びをサポートする人材育成という場面においては、この権利を与えられるかが鍵です。

 

Skill 39 クローズド・クエスチョン

相手の中にある答を引き出すコーチングでは、ゴールや過去の体験を確認することがセオリーなため、のっけから相手にイエスかノーかを迫るような質問をすることはめったにありません。しかし、威圧するのでもなんでもなく、真摯に自分はあなたのコミットメントを確認したいんだというのが伝わるレベルであれば絶大な効果を生みます。たとえのっけからでも、クローズドでコミットメントを貰える瞬間を持てると、成功をほぼ手中に収めたことになります。クローズドは、相手との関係を崩さずに使えるのであれば、勇気と思いやりをもって真剣なトーンで伝えてください。その際、自分の中に力と愛が沸き起こるのがわかります。


Skill 40 ファイヤー

コミュニケーションでクライアントが気持ちよくなったかは二の次で、実際にクライアントが行動を起こしたかどうかがコーチングの価値を決める唯一絶対基準です。「相手から引きだす」が重要なスキルとスタンスですが、それ以上に重要なことが「火をつける」です。ファイヤーとはストレートな行動のリクエストで、その目的は、相手の行動に対する意識を瞬間的にぐっと高め、「よし、やるぞ!」と心の中で言わせることです。「やってくださいね、絶対に」低く落とした真剣な声で、覚悟を持ってリクエストします。行動に関してはいかなる言い訳も受けつけないこと明言するのです。二人の間に「神聖な空気」が一瞬でも流れた、ファイヤーは成功です。

 

Skill 41 ほめ続ける

コーチングの重要なスキルに、褒める、認めるなど「承認する」があるため、「叱る」もあるのでしょうか。マネジメントの日常には必ずありますね。しかしながら、少なくともコーチングという枠組みの中では、叱るということは一切しません、存在しません。どんなときも、叱らないんです。約束した行動が実行されていない。。でも、叱らないんです。マラソンの真なる伴走者がレース中に叱らないのと同じです。ほめること、ほめ続けることの効用について思いを馳せてみてください。相手をとにかく毎日ほめ続けてみる。半年くらいはほめ続けるのを試してみる。特にサポーターの部下が素晴らしい成果をあげること確信しています。

 

Skill 42 絵を差し替える

人の行動は、頭の中で唱えた通りには簡単にいかない。行動からしか未来は創れないですが、それは無理に行動を変えることじゃないです。心のスクリーンにどんな絵が描かれているかが行動の基点です。「前向きに」と頭でいいながら、内側では「壁に突き当たって、もがき苦しんでいる自分」をありありと描いている。こんな場合は本当の行動なんて起きないのです。これをポジティブな絵に置き換えるには、リソースの発見が効果的です。「過去の経験の中で、障害に突き当たりながらもそれを乗り越えた体験について話してもらう」「相手がモデルとしている人なら、どのように今の状態を乗り越えていくと思うかを聞く」心の内側の絵に注意してください。

 

Skill 43 エネルギーを蓄えさせる

人が行動するためにはエネルギーが必要です。行動することばかりに躍起になってエネルギーの補充を怠ると、ガス欠になって思いがけないトラブルが発生することもあります。頻繁に部下がガス欠に陥るようだったら、彼らのエネルギーを補充するシステムを一緒に創ってあげましょう。一方的に「これやれ」というのではなく、質問をして相手に考えて貰います。「どうしたら定期的に自分のエネルギーを補充できると思う?」もちろんいいアイデアをあなたが持っていたら「提案」してもるのもいいでしょう。あなたはどんな風にして自分のエネルギーを補充しますか? 自分の補充方が決まったら、ガス欠の人を見つけて、補充の手伝いをしてみてください。