Chaos Smart

「私は、私が無知であることを知っている」 複雑性、物事の根本に関わる深い叡智をえるブログ

chaos smart というコト

間違いやエラーをなくそうと努力すると、非常に退屈で重たい階層と、創造性から遥か遠い魅力的ではない何かができあがる。


一方で、宇宙のほとんどのものが非線形な組織化を示しており、脳波、心臓の鼓動、あるいは銀河系の拡張はフラクタルで動的なパターンを見せる。不動の中心点ではなく移動する核による思考により、新たな想定の相互作用を許容することで見つかるものがあるはず

 

 事前の想定や形式的な多層性と反復のリズムを無視することで、受け手に推測を続けさせる魅力があるようなもの。

 

閃きは、厳格な階層性の原理に基づいておらず、即時性の集中的な探索に基づく。このアプローチとカオスの相互依存性により、新たな想定から出現するパターンを強調した先に、もしくは、いくつかの変数、とにかく何かを追加することによって、システムが臨界点に達し、新たな秩序へとジャンプするような状態。

 

これらの状態の下で、新しいパターンの組織体が自然発生することが可能だと考える。 堅実性、確実性の代わりに、あいまいさ、謎、神秘性といったもの。ここに自身の未来のエネルギーを強く発揮したい。特にそれは、線に厚みはなく、結節点には大きさもないといった数学的には次元をもたない存在として実体をなくすることとは違う「あいまいさ、謎、神秘性といったもの」


数学では世界を記述する微分方程式にはふたつの部分があって、特殊解と一般性。 一般性は、解決策の属する部類を伝えて特殊付けるけれど、厳密な解答はその問題領域の境界条件にだけ当てはまり、特殊解によって与えられる。 合理性、または秩序としてわたしたちが見始めるものは、論理の特殊な領域が、もっと一般的な本能と直感の領域と混ざったものであるはず。私たちの精神はその複数性を取り込み、学習して成長する

 

それならば、「art of taining」、「art of leadership」の未来の答えは見えた気がする。 組織やプログラムをデザインする際、建築の構造と同じく、構成フィールド、パターン、連結性、ジオメトリー、材質をデザインをし、変革のための触媒になり、構造を操る陰の存在として機能する主体の要件定義が見えてきた。

 

以前、桂離宮の改修を手がけている京都の大工の棟梁から、数寄屋というのはいろいろな材料を「数(あま)た」に「寄せて」つくるからそう呼ぶのだと教えて貰ったことがある。

その事実は平坦な仕上げの裏側に隠蔽されてしまう傾向が強いが、建築はさまざまな流路を経てきた材が組み上げられてできたテクトニックな存在でもある。これをむしろ積極的に操作の対象として扱ったならば、新しい可能性が拓けるのではないかと考える。浜辺で素材を拾ってそれらの声を聞き取りながら、材自身が「なりたがっている形」を探っていくビーチコーミングのような建築のあり方。


建築家はそこに登場する役者である「材」をうまく敷地につれてくることができれば、あとは半ば自動的に決定されていくはずだ。
数寄屋には、このコンセプトが内包していると考えている。コンセプトとは、chaos smartだ。