Chaos Smart

「私は、私が無知であることを知っている」 複雑性、物事の根本に関わる深い叡智をえるブログ

地球の自転を認めながらも、日の出に感激し情動を起こせる人間の幻想に生きる感性が あれば、知覚できうる幻想は現実に変換することが、抑制の抑制を使えば可能となる。

f:id:youngjun:20140928112717j:plain

 

 

アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、オキシトシン、コルチゾール、テストステロン、メラトニン、アセチルコリン、ドーパミン、エンドルフィンなどの神経伝達物質の存在とその役割の多くが知られてから久しいですが、これらの活用については、全てに注意を払うべき立場であり、全てをコントロールできる訓練を積むべき立場をとっていますが、その中でも最も注意を払うべき


「エンドルフィン」について。

 

「苦しみを乗り越える」ではなく、「苦しみ=即幸福」とする神経伝達物質である「エンドルフィン」


ストレスに反応して脳下垂体より分泌したエンドルフィンは、大脳皮質、視床、脊髄などに分布する「オピオイド受容体」に結合し、鎮痛作用の他、胃腸運動の減少、縮瞳、多幸感、除脈、神経伝達物質の抑制作用などの機能を扱います。

 

このオピオイド受容体は、モルヒネやヘロインなどの麻薬とも結合します。
オピオイド受容体があるがゆえに、麻薬の「多幸感」や「恍惚感」にとりつかれて、
麻薬中毒になる人たちもいます。

 

そんな危険な受容体が、私たちの脳の中に存在しているのは、理由があります。
麻薬のためにオピオイド受容体があるのではなく、最初から人間の体内には、麻薬と
よく似た物質が存在しています。つまり、エンドルフィン。

 

エンドルフィンの分泌でも、モルヒネを投与したときと同じように、「多幸感」「恍惚感」が現れます。それゆえにエンドルフィンは、「脳内麻薬」とも呼ばれています。

エンドルフィン(endorphin)という名前からして、内因性を表す「エンド」とモルヒネのフヒネにあたる「ルフィン」をつないで作られています。
エンドルフィンとは、自分で分泌するモルヒネ様物質、「内因性モルヒネ」という意味なのです。

 

アヘンに含まれるモルヒネは、たまたまエンドルフィンと類似した構造を持ち、オピオイド受容体と結合してエンドルフィンと同様の効果を発揮することができました。
そのおかげでモルヒネや、そのモルヒネから作られるヘロインなどが、麻薬として使われるようになってしまったわけです。


エンドルフィンは、「α」「β」「γ」の3種類があります。このうちβエンドルフィンは、苦痛除去のときに最も分泌されます。この鎮痛作用は、「モルヒネ」の6.5倍の強力な鎮痛作用を持ちます。

 

人間もしくは、動物にこのエンドルフィンがセットされているのは、これがなければ絶滅していたはずなので、進化の過程でセットされたのだと思います。

 

というのも、野生のライオンが獲物を捕獲できる確率ですが、20%を切っているのが一般的です。


全力疾走で取り組んでも、10回に1回しか捕獲に成功しない。

脳が「快」「不快」によって、ホルモンの分泌を決定していますが、「不快」で発生するアドレナリンやノルアドレナリンだけの闘争本能剥き出しである火事場の馬鹿力だけでは、ストレス性ホルモンのコルチゾールが上がり続け、獲物が捕れなかった際のストレスの回収がありません。その際の身体と精神への疲労が回復できない。

 

どれだけやっても何をやっても捕れなかった。そして、捕獲にエネルギーを使い、捕獲ができていないためにエネルギーの補給ができない中で、ストレス値が上がり続けた状態で、更なる捕獲行動を起こす。

 

9回連続で失敗し続けていて、腹が減り、体力の限界であり、意識が朦朧とするなかで、先の9回よりも質の高い捕獲行動に出れるには、エンドルフィンのおかげです。


この生きるか死ぬかの究極のストレス状況だと脳が判定した際に、苦しさをバネに変えるのではなく、苦しさ=幸福感として分泌するのがエンドルフィン。


狩猟型で生活をしていた人類も、このファンクションが無ければ絶滅していたでしょう。


農耕型になってからは、活性化されなくなっただけであって、脳の機能としては今も残っています。


エンドルフィンという物質が存在している理由は、怪我や病気、その他のストレスによって引き起こされる「痛み」や「苦しさ」それを「幸福」に転換し、ストレスから心と身体を守ってくれる物質がエンドルフィンです。

 

エンドルフィンは「究極のストレス解消物質」と言えるでしょう。

 

エンドルフィンの生成過程を見ると、ストレス解消物質としての特徴が、より明確になります。
βエンドルフィンの前駆物質は、「プロオピオメラノコルチン」という糖タンパク質です。これは、ストレスを視床下部から脳下垂体が受け取るなかで生成されます。
この物質からプロセッシングという断片化を経て、βエンドルフィンや「ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)」「βリポトロピン」などのホルモンが作られます。

 

ACTHは、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を促すホルモンです。
ACTHもエンドルフィンも、ストレスに応答して分泌されているストレス解消ホルモンです。
ただ、両者は役割がやや異なり、ACTHは主に「身体的ストレスの解消」に、エンドルフィンは主に「精神的ストレスの解消」を担っています。

 

また、エンドルフィンは過度のストレスがかかった限界状況において分泌されると言いましたが、実はそうではない場面でも分泌しています。

 

それは、「癒された」「リラックスした」と感じられる瞬間です。
つまり、心と体がリラックスした状態で、脳のα波が出ると、エンドルフィンが分泌されます。

 

この脳の「快」「不快」のいずれにも結びつけることができる非常に稀有なホルモンです。それであれば、「快」刺激に反応するドーパミンと結びつけることが何が起きるのかが最も重要になります。また、ドーパミンとエンドルフィンはシナジー効果の最たるものであって、この2つを融合した際のアウトプットが進化の過程で必要だっと思わせてくれるほどの相性のよさです。

 

理由はこうです。

 

人間の脳には、ドーパミンを制御する仕組みとして「GABA神経」があります。

そして、エンドルフィンはこのGABA神経を抑制する働きがあります。

ドーパミンを抑制するGABA神経を抑制することで、ドーパミン遊離を促進するのです。

 

快刺激に対して生成されるドーパミンも、エンドルフィンと組み合わされると、ドーパミン単独の10~20倍の快楽、幸福感が得られます。

『抑制の抑制は促進作用となります。』

 

この条件を満たせた時に、どんな人間でもフロー状態(ゾーン状態)に入れます。

 

心理学者チクセントミハイの言う:フロー状態

 

1つの活動に深く没入しているので他の何ものも問題とならなく状態、その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをすることのために多くの時間や労力を費やすような状態。絶対的な集中状態。

 

私の感覚では、

 

凄まじい集中力が発揮されていて、その状態が楽しく深く没入している状態でありながら、頭脳はきわめて明晰で、その状況や活動を自分でコントロールできる状態です。この状態には、「あっという間に時間がすぎる」あるいは、「時間が止まったように感じられる」などの「時間間隔のゆがみ」が伴います。

 


実際に究極の生きるか死ぬかの現実に直面せずとも、脳にこのような状況であると幻想を現実とできる人間のポテンシャルを適切に当て込めば、日常の中で発生させることは可能です。


フルマラソンを完走した人だけが、そのプロセスで経験するランナーズハイもエンドルフィンがその正体ですが、もっと手短に洗練されたエンドルフィンの生成とドーパミンとの相乗効果を生み出す方法があります。

 

chaos smartを行う上でのプリバレーションとしては、エンドルフィンの活用が必須。

これらを市場に提供する日も近いと感じています。